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無題(暑いからくっ付けない)
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麗らかな夏の日差しを浴びながら、って暑いよ暑い。
部室に男二人ってのも暑苦しい。
なんていう暑さだ今年は。これも地球温暖化の影響か。
「まあ、そういう説もありますが組織ではこれも涼宮さんの影響かと」
うるさいぞ古泉。じゃあ何か?温暖化を防ぐにはハルヒの機嫌を取れば良いのか?
「端的に言えばそうですが、涼宮さん自身は夏暑いのは当然よくらいに思っているので・・・」
待て待て。ハルヒのヤツこないだ教室でブー垂れてたぞ。暑いって。
「ですから、彼女は本来常識家なので文句言いながらも夏暑いのは当然と・・・」
止めよう、余計に暑くなる。
「一つ、涼しくする為の面白い実験をしてみませんか?」
・・・一応、聞いてやる。
「簡単です。あなたが涼宮さんに、「お前とくっつきたいけど暑いからなあ」とか言ってみるのですよ」
・・・却下だ。っていうか、なんだそのバカップル風な会話は。
「面白いと思うのですがね。涼宮さんの機嫌も良くなり、涼しくなれば一石二鳥だと思うのですが」
はっ、涼宮で涼しいやってか?
「・・・今のはダメダメですね」
「・・・0点」
うおう!来たのか長門!しかし辛いな採点が・・・
「暑い暑い暑い暑いーーーーー!!!
バカキョン何とかしなさいよー!」
来たよ熱源娘が・・・
「みくるちゃん!冷茶ちょうだいっ!!
って、みくるちゃんは?」
なんだか今日は家の用事が有るって帰ったぞ。
「・・・なんであんたがみくるちゃんの行動を把握してんのよ」
う、昼休みに俺のとこ来て言ってったんだ。
「・・・ふーん。バカキョン!ぼーっとしてないで団長様にお茶!早くっ!五秒以内っ!!」
へーへー。
「やるなら今ですよ」
耳打ちしてくんな近いよ暑いよお前は!
「もし上手くいったら、いつもの喫茶店ドリンクチケット十枚綴りをプレゼントしますよ」
うるさいよ!・・・しかし、チケット十枚あれば二回分の罰金分になるな・・・
「はーやーくーしーろー!!!」
へいへいお待ちっと。
「温いわよバカキョン!氷入れなさいよ!!」
ふー。やってみるか。
「なあ、ハルヒ」
「何よ」
「夏は暑いもんだな」
「何当たり前のこと言ってんのよバカキョン。暑さで脳みそ煮えちゃったの?」
「こうも暑いと、お前とくっ付いても暑苦しくてダメだな」
「は!?」
「もうちょっと涼しければ、お前にピトってくっ付けるのにな」
「ななななな何言ってんのひょバカヒョン!!」
「のひょ?」
ブフッ!古泉が噴出したようだ。噛み噛みだなハルヒ。
「だだだだ誰があんたなんかとくっ付きたいなんて言ったのよ!」
「いや、俺がお前とくっ付きたいんだが」
「・・・・・・・・・!!」
なんか言おうとしてまったく言葉が出ない状態だなこりゃ。
結構、面白いな。
「どこ行くんだハルヒ?」
「・・・!うっさいわね!トイレよトイレ!!」
バタンっ!ドタドタドタ・・・
「あーははは、いやいやなかなかいいものを見せて頂きました。」
「こんな事でホントに気温下がるんのか?」
「まあ、様子を見ましょう」
くっくっくといやらしく笑う古泉を見ながら、俺はやれやれと呟いた。
ジャーーーー!
キュッ。
ふう、やっと頭が冷えたわ。
もうバカキョンのやつ、いきなりなんて事言い出すのかしら!
・・・でも、キョン、あたしにくっ付きたいって言ってたわね・・・
ピトって、くっ付きたいって・・・
べ、別にあたしはキョンとなんかくっ付きたくないけど、
キョンがどうしてもって言うんなら仕方ないわね!
でも、暑いからくっ付けないって言ってたし・・・
・・・あら?なんか涼しい風が吹いてきたわね。
これくらいなら、くっ付いてやってもいいカンジね。
うん!バカキョンがどうしてもって言うんだから仕方なくよね!
よ~し、寒くなってきたから部室に帰りましょ!!
「急速に気温低下中。現在気温20℃。涼宮ハルヒが部室を出る前の気温からマイナス18℃」
おいおいおい、なんだこのエアコン効きすぎチックな温度低下は。
「・・・ちょっと効果有り過ぎましたかねこれは」
・・・ハルヒが帰ってきたら・・・
「もちろん、心行くまでくっ付いてください。僕たちは今日は帰りましょう。
寒くてやってられない上に、涼宮さんが戻ってきたら部室の一部だけ温度上昇しそうですし」
「・・・明日は、私とくっ付いて・・・」
ん?なんか言ったか長門?ってお前も帰るのかよ!
「それでは、ごゆっくり」
おーい、お前ら・・・
ふー。しかしマジ寒いくらいだな。明日風邪で休むやつが出そうだな。
ガチャ。
!ハルヒ!お、お帰り・・・
「ただいま・・・」
うーむ、なんかいつものハルヒじゃないぞ。
「い、いきなり涼しくなったなははは。」
「そうね・・・」
う・・・なんでそ頬赤くしてるんだ。かわいいじゃないか・・・
くそっ、古泉からチケット貰っちまったしな。
「なあ、ハルヒ」
「何よ。」
むきゅっ
「あ・・・!」
くっ付いちゃったぞ。
「バカキョン・・・あんた熱いのよ・・・」
イヤか?
「・・・ううん」
そっか・・・
「うん・・・」 |
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