今日は珍しく早く来ちまった。
俺は予習するような性分でもないのでキョンか国木田でも来るのを待つしかない。
いやいっそのこと隣のクラスでも見てくるか、と思いながら振り返ってみる。
涼宮がいた。
窓の外をじっと眺めている。
不覚にも少しだけいいと思ってしまった。何考えてんだ俺は、あの涼宮だぞ?
キョンじゃないが気の迷いって奴だな。
しかし、こう黙ってると美人なんだよな、あいつ。
なんて自分でも気づかないうちに涼宮を眺めていたら涼宮が少しだけ身を乗り出した。
あの涼宮が気にするほどだ。一体なんだと思ったがわざわざ窓際までいく気にはなれない。
なんで涼宮を眺めていた。
涼宮の視線はだんだんと移り、ある点で急に振り返って教室の入り口を向いた。
つられて俺も入り口を眺める。
開くたびに涼宮を見るが涼宮は変わらずにずっとドアを眺めている。
入ってくる奴らはあの涼宮の視線にビビった様子はない。
いつものことなのか?
しかしやっぱり変人だよお前は。
と、キョンが入ってきた。あいつはいつもこの時間なのか。相変わらずしけた面してんなぁ。
今までと同じように涼宮を振り返る。
だが俺は振り返りながら気づいた。そうか、涼宮はキョンを待ってたんだ。
それは涼宮の顔を見たときに確信へと変わった。
涼宮は満面の笑みを浮かべていた。向日葵とか太陽とかそんな言葉が頭に浮かぶ。
キョンはため息を一息ついて席に向かう。
そんでもってすぐに涼宮の相手だ。
涼宮のでかい声がここまで届く。
「キョン!すっごいもの見つけたの!後で付き合いなさい!」
ホント遠慮とかないんだな涼宮の奴。
キョンが何か言ってる。静かにしろとかそんなんだろ。
涼宮はぶすっとしながらもおとなしく言うことを聞いている。
まるで猛獣使いだな。
しかし…なんつーかすげえなキョンは。
涼宮があんなに目を輝かせてる。あんなのよく正面で受け止められるよ。
涼宮は涼宮でキョンにべったりだしな。
ま、涼宮の相手できるのはキョンだけだってことだ。
十分変態だよ、お前は。
でもな俺は知ってんだぞ。
お前最近涼宮の話するとき口元緩んでるぜ。
まったくお似合いだよ、お前らは。 |