|
無題(テクニシャン)
|
|
週末恒例となった不思議探索の午後、せっかくの朝比奈さんとペアだって言うのにハルヒによる緊急招集がかかった。
そして集合場所に行くとハルヒ達3人はすでにいたのだが…なぜか妹もここにいる。
「商店街で前から妹ちゃんが来たのよ。友達と別れて帰るところだったんだって。」
じゃあ、帰らせてやれよ。
「いいじゃない、まだ日も高いんだし知らない仲ってわけでもないでしょ。」
肝心の妹は、朝比奈さんと長門と手をつないで遊ぶ気満々だった。
で、どうするんだ?またペアを分けるのか?
「こんな日差しの強い中妹ちゃんを外に出したら日射病になるじゃない。あんたの妹でしょ?もっと気を使ってあげなさい。」
妹は見ての通り優良健康児だから、このくらいの日差しではどうもならないと思うぞ、帽子もかぶってるし。
「そんなことはいいのよ、喫茶店で冷たいものでも食べながら、今年の夏の合宿についてミーティングしましょ。
あ、あと今回は罰金は勘弁してあげる。でも妹ちゃんの分はキョンが払いなさいよ」
俺の話は軽くスルーされ、喫茶店の中に入っていった。
いつもの6人掛けのソファーに座ると妹は早速メニューを見ていた。ちなみに対面に女性陣で俺と古泉の間に妹だ。
で、何食べるんだ?ちゃんと晩御飯があるんだから食べ過ぎるなよ。
「え~とねぇ、じゃあこのパフェ食べたい。」
と、フルーツパフェを指差した。そしてそれを見てたハルヒによって女性はみんなパフェを注文することになった。
間もなくパフェ4つが届き食べ始める。ちなみに男は2人ともコーヒーだ。
妹が半分も食べ終わらないうちにハルヒは食べ終え、そして何かを思いついたらしく笑顔で喋り始めた。
「みんな、サクランボの茎を口の中で結べる?」
と、パフェの頂上にあったサクランボの茎を取り口の中に入れてモゴモゴしている。数十秒後みごとに茎を結んで口から出した。
「茎を結べるとキスが上手なんだって、ほら有希もみくるちゃんもやってみて」
いつものように強制的に二人にさせていた。二人が口に入れている間にハルヒは結んだのを俺達のほうに見せ
「どう?キョン、すごいでしょ。」
どうだと言わんばかりに自慢げに話してきた。もちろん古泉は「さすがです」などと言っていると、
「はるにゃんはるにゃん、あのねキョン君のほうがもっとすごいよ。」
突然妹がこんなことを言い出したのだ。この発言にハルヒが食い付かないはずもなく
「どういうこと?妹ちゃんに見せれて私たちに見せれないはずないわよね、やって見なさい。団長命令よ」
団員全員に注目されれば仕方なくいつもの口癖を言いながら、妹の皿にあったサクランボの茎を取って口の中に入れた。
「ほら、できたぞ」
と、口の中から茎を出すとそれを見たハルヒは突然真っ赤になって固まってしまった。おーいどうしました、ハルヒさん?
「蝶々結び…、まさか…これほどとは…。」
「ひょんくん、ふごいれふぅ。」
「…テクニシャン」
3人からそれぞれの感想をもらい、またまったりとしはじめた。
ちなみに朝比奈さんは結んでるときに舌を噛んでうまく喋れないみたいだ。
みんなと雑談しながらコーヒーを飲んでいるとさっきまで石のようになってたハルヒが
「…だからあの時…キョンがあんなに…キスが…」と、ブツブツ言いはじめた。
ちょっと待てハルヒ、あの時っていつだ、閉鎖空間か?
閉鎖空間のときはキスした瞬間に目が覚めたじゃないかとか言えるはずもなく慌ててると
「うん、今キョン君と一緒、キョン君と帰るね。
あとねキョン君とはるにゃんキスしてラブラブなんだって、でねキョン君てくにしゃんですごいんだって。」
おーい、妹よ誰と電話してるんだ?あと何かいろいろ違ってないか?
「おかあさんだよ。帰ってきたら詳しい話を聞くって、怒ってたけど何でかな?」
えーっとみんな、夏の合宿の前にこの後の俺についての話し合いをしてくれないか…? |
|
|
|
|
|
|
|
|
|