haruhi-ss 俺的ベスト(おれべす)

1. 10年越しの手紙
2. 1日遅れのひな祭り
3. 25
4. 25年前の七夕
5. B級ドラマ~涼宮ハルヒの別れ~
6. DoublePlay
7. for Heroines, Kyon losing filters (AA)
8. Girl's Day 
9. HARUHI!
10. I believe…
11. imouto
12. Legend of Necktie
13. Lost my music
14. MASAYUME
15. Petit-haruhi
16. proof
17. Special Window
18. あ~ん
19. あたし以外の
20. ある『幸せ家族』
21. ある雨の日のハイテンションユッキー
22. ある女子高校生の二ヶ月間の乙女日記
23. イチバンニアナタヘ
24. ウソとホントの狭間で
25. お互いの気持ち
26. お前がいるから
27. お悩みハルヒ
28. カエルのたましい
29. カチューシャ
30. ぎゅ
31. キョン1/2
32. キョンがアンケートから情緒不安定になりました
33. キョンとハルヒの事実婚生活
34. キョンならOK
35. キョンにとって
36. キョンのベタ告白
37. キョンの弁当
38. キョンの誘惑
39. キョンの涙
40. キョンは死なない
41. ご褒美ごっこ
42. ジュニア
43. ジョン・スミスの消失
44. スッキリおさめる
45. それから
46. それは誤解で勘違い
47. ただの人間
48. ダブルブッキング
49. ツンデレの気持ち
50. どうして
51. ねこねこ
52. ばーすでぃ
53. はい、メガネon
54. パパは高校1年生
55. ハルキョンズカクテル
56. ハルキョンのグダデレ
57. はるひ の のしかかる こうげき!
58. はるひすいっち
59. ハルヒとバーに
60. ハルヒと長門の呼称
61. ハルヒの悩み
62. ハルヒは俺の──
63. ファーストキスは誰のもの?
64. ふっくらふかふか
65. フラクラ
66. フリだけじゃ嫌!
67. まだまだ
68. ミヨキチが長門とキョンの娘だったら…?
69. モノマネ
70. やきもち
71. やれやれ
72. ヨイコク
73. リスペクト・ザ・ハイテンションユッキー
74. 悪夢を食べる聖獣
75. 雨宿り
76. 花嫁消失
77. 覚めざらましを
78. 完璧なポニーテール
79. 許婚と最愛の人
80. 距離
81. 教科書と嫉妬
82. 迎えに行くから
83. 結婚記念日の怪
84. 月で挙式を
85. 月と徒花
86. 犬も食わない
87. 古泉の陰謀
88. 古泉一樹の親友
89. 孤島(原作版)にて
90. 幸せの連鎖
91. 幸運な日
92. 佐々木IN北高
93. 思い出はおっくせんまん
94. 射手座の日、再び
95. 習慣化
96. 充電
97. 女、時々酒乱につき
98. 女の子
99. 小さな来訪者
100. 小春日和
101. 少女の願い
102. 消失if else
103. 笑顔の花嫁
104. 心配
105. 新春到来
106. 酔いどれクリスマス
107. 生き物ってつらいわね  
108. 醒めない夢
109. 宣戦布告?
110. 前日の酔っぱらい
111. 素直になれなくて
112. 素敵な旦那様の見つけ方
113. 谷口のミニ同窓会
114. 谷目
115. 暖かな2人
116. 朝比奈みくる、十七歳です。
117. 朝比奈みくるの最後の挨拶
118. 長門さんとミヨキチ
119. 長門さんと花
120. 長門有希さんの暴走
121. 長門有希の嫉妬
122. 長門有希の憂鬱
123. 通行人・涼宮ハルヒ
124. 冬のあっため方 
125. 動揺作戦
126. 二度目の消失日
127. 日記と六月の第三日曜日
128. 濡れ衣だなんて言えない
129. 猫は同じ夢を見るか
130. 彼の決意
131. 不思議戦隊SOS
132. 普通の日
133. 報復の仕方
134. 北高生人気投票
135. 未来からの電話
136. 無題(Disappearance of Yuki Nagato)
137. 無題(テクニシャン)
138. 無題(ハルヒ以外の……女には…興味がねえ!!)
139. 無題(ホスト部)
140. 無題(今日は春休み初日…)
141. 無題(暑いからくっ付けない)
142. 無題(席順)
143. 無題(湯飲み)
144. 無題(閉鎖空間)
145. 無題(別視点からはバカップル)
146. 遊園地は戦場と心得よ
147. 様
148. 裸
149. 涼宮さんとキョン子さん
150. 涼宮ハルヒと生徒会
151. 涼宮ハルヒの影響
152. 涼宮ハルヒの改竄
153. 涼宮ハルヒの軌跡
154. 涼宮ハルヒの疑惑
155. 涼宮ハルヒの強奪
156. 涼宮ハルヒの決心
157. 涼宮ハルヒの結末
158. 涼宮ハルヒの催眠術
159. 涼宮ハルヒの終焉
160. 涼宮ハルヒの出産
161. 涼宮ハルヒの正夢
162. 涼宮ハルヒの喪失 
163. 涼宮ハルヒの泥酔
164. 涼宮ハルヒの転換
165. 涼宮ハルヒの糖影
166. 涼宮ハルヒの独白
167. 涼宮ハルヒの微笑
168. 涼宮ハルヒの邁進
169. 驟雨

キョンとハルヒの事実婚生活


「ねぇ、キョン。事実婚って知ってる?」
「………なんだそりゃ」
「籍を入れずに結婚生活を送るってやつですか?」
「そう、それ!」
「ヨーロッパの方では広く普及していると聞いております」
今日のハルヒは俺が部室に来たときには既にパソコンでなにやら調べていた
「流石、副団長。物知りね……ねぇこれなんだか楽しそうじゃない?」
ハルヒの笑顔が輝いている………いやな予感がするぜ
「これやってみない?」
「やってみない?って言われたって誰と誰がやるんだよ」
「そんなのあたしがやらなかったら、あたしが楽しくないじゃない!」
「………となりますと、相手は必然的にあなたということになりますね」
「俺かよ!」
「………なによ………嫌なの?」
っう………目を潤ませての上目使いは反則だ!
「い、嫌じゃないが………親にも聞いてみないとな。それに何処でやるかも」
「それならご安心を。僕の知り合いにちょうどマンションの一室を(ry」
「じゃぁ決まりね。あとはキョンの親の許可が下りるのを待つだけね!」
…………やれやれ

その夜
「なぁ親父」
「ん、なんだ?」
「お願いがあるんだが」
「OK!OK!許可する」
「いや、まだ何も言ってないだろ………実は部活で長期合宿に行くんだが」
「よし、言ってこい!かあさんには俺から話しとくよ」
放任主義にも程があるだろ…………
「『親の許可は下りたぞ』っと………送信」
………………
「『わかったわ。明日古泉くんの紹介で部屋を見に行くからそのつもりで。明後日の土曜日からは引越しよ』」
「『了解』っと」


「広くもなく狭くもない、ちょうどいい部屋ね。流石、古泉くん。やるわね」
「お褒め頂くとはありがたき幸せ」
あ、あれ?違和感感じているのは俺だけか?
なんかさっき起きたと思ったら学校の記憶がないまま午後の住居見学になってた
おーい、古泉。ちょっと話がある
「えぇわかってます。恐らく涼宮さんが『早く部屋が見たい!』とでも願ったのでしょう。特に問題はありません」
そんなに楽しみだったとは………可愛いところもあるんだな
「わ~お風呂が広い!」
相変わらずはしゃぎっぱなしのハルヒ、いい笑顔だ
古泉(の機関)に紹介された部屋というのはなかなか綺麗で
2人で住むには丁度いい大きさだった
やたらにサービスがいいことに家具家電の一式が最初から備え付けられていた
「ふふ、結婚&引っ越し祝いだと思ってください」
まだ結婚しとらんわ
「『まだ』っと申しますと…………結婚式には呼んで下さいね、では」
あぁ墓穴掘った…………ハルヒは顔真っ赤だし

「キョン、買物行くわよ!冷蔵庫があっても食材がないわ」
冷蔵庫とか家電一式プレゼントは嬉しかったが食材が入ってないとは………古泉、抜かったな
「う~寒いわ。流石にもうすぐ12月、手が凍っちゃいそう。ちょっとキョン!ぼーっとしてないで何とかしなさいよ」
「何とかって言われたって…………カイロでも買うのか?」
「バカ!違うわよ。手よ、手!」
いつもみたいに手首を掴むのではないく手と手を繋ぐ
正直あったかい、って言うか幸せだ
「事実婚者同士ならこれくらい当たり前よ」

「ねぇ何が食べたい?」
「ん~ハルヒは何作ってもうまいからなぁ」
「あ、ありがとう………」
というわけで近所のスーパーに来ているのだが、「近所」っていうのをサッパリ忘れていた
「おい!」
突然後ろから肩を叩かれ、声を掛けられる。振り向くと
「……親父!」
「何してんだ、お前。あれ?合宿じゃなかったのか?」
ピンチをチャンスに変えるんだ、俺!
「えっとだな、これは」
「キョン、何してるの………って誰?」
「これはこれは、申し送れました。わたくし、こいつの父親をやっているものでございます」
「これはこれは、ご丁寧に。わたくし、キョンの妻をやっているものでございます」
「そーい!」

「とりあえず正直に言ってみろ」
「実はカクカクシカジカハルハルキョンキョンなんだ」
「なんだ、初めからそう言えよ。ほれ、餞別だ。結婚生活にはいろいろと出費がかさむぞ」
と言い福沢氏が2名に樋口氏を1名、握らせた。なんていい父親なんだ
実は必要経費として機関からいくらか貰ったんだが・・・・まぁありがたく頂くとするか
「ところで何してるんだ?」
「かあさんに頼まれてのお使いだ。まぁお前は俺の息子だ、どうせ尻に敷かれる」
「ほっとけ」
「そうだ!ちょっと2人とも待ってなさい」
親父は薬局の方へ走っていったかと思うとすぐに帰ってきた
「…………ハルヒちゃん、ちょっとおいで」
「何?」
なに2人でコソコソしてるんだ?

「とりあえず使わなくても取っておきなさい」
「ちょ!いいいいいいらないわよ!!」
「まぁそう言わずに。ラブラブなのは大いに結構だが息子を高校中退させるわけにはいかんからな」
「だからそんなつもりないっt………………勝手にポケットに入れるな!」

「わははは、ではご両人、お幸せに!さらば」
「なんだったんだ?」
「ししししししし知らないわよ!帰るわよ!!」
いや、まだ何にも買ってないだろ

「そうね、ベタにカレーなんてどう?」
「おぉ、いいね。俺カレー好きなんだ」
「ってことは、にんじん、たまねぎ、じゃがいも、牛肉…………」
店内の商品を物色するハルヒの後に続きカートを押す俺
なんか、こう見ているとハルヒっていい奥さんになれそうだな
「………なに見てるのよ」
「お前もいい嫁に………いやなんでもないよ」
「?………………変なの」
「そういえば、住む気マンマンだったけど、まだ服とか持っていってなかったわね」
「あぁ、そういえばそうだな」
「じゃぁ1度、家に帰って部屋に再集合ね」
「わかった」
………………って買ったものの荷物もちは俺かよ!


「ひーひー」
「案外遅かったのね」
「そりゃぁ買物したものも一緒に持ってきたからな」
「そう、ご苦労さん。あたしはカレー作ってるからキョンはゆっくりしてなさい」
「なんか悪いな」
「妻として当然よ!」
ハルヒばかりにやらせるのも悪いから風呂でも掃除しとくか
「これでよし!あとは煮込むだけね」
おぉいい匂いだ~
「あんたベタベタになってなにやってるのよ」
「風呂掃除だ」
「それって一緒に入りたいから?」
「ん~そうかも知れんな」
「別にあんたがいいなら………………」
冗談だよ
「ですよねー」

「お皿出して、キョン」
「はいよ」
「スプーン出して、キョン」
「はいよ」
「ご飯盛って、キョン」
「はいよ」
「テーブルまで運んで、キョン」
「はいよ」
「尻に敷かれる尻に敷かれる尻に敷かれる………」
「GYAAAAAAAAAAA!!」
「どうしたの?」
「っは!ドリームか………」
「?………………まぁいいわ、食べましょ」
「「いただきまーす」」
「「パク、モグモグ」」
「おぉ、このトロっとした口当たり」
「ビリッとくるスパイシーさ」
「その中に辛さに負けない甘み」
「口の中でトロケる具」
「「これぞ究極のカレーじゃ!!」」
「さて、バカやってるうちに食べ終わったわね」
「急に冷静になったな」
「それにしても、あんた食べすぎじゃない?5人前作ったはずなのに」
「それだけ美味かったってことさ」
「………………ありがとう」
「どういたしまして」
「じじじじじじじじゃぁ、キキキキキキョンは先にお風呂に入りなさい!」
「何故そこでどもる」
「お湯が冷めちゃうじゃない!さっさと入れ!」
「うわっ、わかったわかった…………なんなんだ?」
「ワクワクドキドキ」

カポーン
「風呂デカ!!」
これだけ大きければ2人一緒に入れるな
ザバー
「ふぅ………………我ながらいい湯だ」
「………………失礼しまーす」
「どうぞどうぞ、ってうぉい!」
「タオルだって巻いてるんだし気にしない気にしない」
「(重点的に俺のジョンが)気にするわ!」
「いいじゃない、夫婦なんだから」
そういえばそうでした
「………………」
「ねぇ、そっち向いていい?」
「(俺のジョン的に)ダメ!」
「………………ケチ」
「………………」
「………………」
「そろそろ出ない?」
「お先にどうぞ」
「む、なんかキョンに負けるの嫌ね………………こうなったらトコトン勝負よ!」
「………………」
「………………」
「………………」
「そ、そろそろギブアップなんじゃない?」
「いいや、全然」
「うー………………ブクブク」
「…………?ちょ!ハルヒ、大丈夫か!」
カポーン


「………………ん」
「お!気が付いたか」
「あれ?あたし…………」
「風呂でのぼせたんだ」
「そうだったの・・・・ありがとう」
「礼にはおよばんよ」
ダッテ、オキガエスルトキ、ハルヒノハダカミチャッタンダモン!

「とまぁ、お前が寝ている間に夜も遅くなった」
「じゃぁ、もう寝ましょ」
「それじゃぁお休み」
「ってどこ行くのよ」
「どこって、そっちのソファーに」
「夫婦なんだから一緒に寝るの!」
「引っ張るな引っ張るな、押し倒すな!」

「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「…………すー…………すー」
「寝れNEEEEEEEEEEEE!!」
「………………」
「…………すー…………すー…………んー」
寝返り打った、こっち向いた、顔が近い!
「…………んー…………キョン……」
夢に俺が出てるのか?
「………………好き………」
抱きつかれた!!
「…………んー…………すー…………すー…………」
ドキドキ

「ドキドキドキドキ………………」
「…………すー…………すー」
「ドキドキ………………」
「…………すー…………すー」
「………………」
「…………すー…………すー」
「…………ぐー…………ぐー」


「まったく、間抜けな顔して寝ちゃって」
「…………ぐー…………ぐー」
「せっかく寝ぼけたフリして抱きついてあげたのに」
「…………ぐー…………ぐー」
「やっぱりコレは使わなかったわね」
「……ぐー……ぐー…………んーハルヒ可愛いぞ………」
「……………バカ」


チュンチュン
「キョン、起きろー」
「………んー………………ん?」
「今日は土曜日、探索の日よ」
「そういえばそうだな」
「さっさと準備しないと38週連続奢りよ」
「勘弁してくれ」
「だったら早く準備する!」


「あ、あれ?僕が最後ですか」
営業スマイルが一瞬引きつった。俺が最後じゃないのがそんなに変か
「今日は古泉くんの奢りね。とりあえず喫茶店に行きましょ」
「おいおい、引っ張るなよ」
「手を繋いでアツアツですね」
「近寄りがたいですー」
「…………」

「ほら、腕組むんだから腕出しなさい」
「へいへい」

「「「ごちそうさま」」」


と言うわけで恒例のくじ引き
「さぁ、引いた引いた!」
「では」
「えーっと………これ」
「…………」
「あたしはこっち」
「余りかよ!」
「で、組み合わせは?あたしは無印よ」
「……印」
「無印ですね」
「無印ですー」
「印だ」
「……………浮気したら殺すわよ」
「しねーよ」

「さて、どこに行く?」
「…………図書館」
「定番だな……そういえば近くに古本屋があるんd」
「いく」
「じゃぁ行くか」
「いく」
「………………」
「………………」
「………なんだ?」
「腕は組まない?」
「俺が死ぬがいいか?」
「………ダメ」
「じゃぁガマンしなさい」
「………そう」
「ついた、ココだ」
「………」
どこか嬉しそうだ。連れてきてよかった
「自由に見ていい?」
「欲しいのがあるなら買ってやるぞ」
「そう」
と言い残し店内に消えていく長門
と思ったら帰ってくる長門
「言い忘れた」
「なんだ?」
「午後の組み合わせをあなた、涼宮ハルヒ、わたしの組にする。許可を」
「何かあるのか?」
「ある」
「ならいいんじゃないか?」
「そう」
と言い残し店内に(ry


『お腹減ったし集合』とハルヒからちょっと早めの集合がかかった
勿論集合場所は喫茶店だし、おごりは俺じゃなく古泉だ
まぁおごれと言われても、おごることは出来ん。何故なら
「…………ありがとう」
小柄な少女に似合わない重量級の荷物。どうやって持って帰るんだ
「くぁwせdrftgyふじこlp;」
「消えた!何したんだ?」
「部屋に転送した」
「こんな町の中で……誰かに見られたら」
「情報操作は得意」
「さいですか」
「………時間」
「うわ!やばいな、急ぐか」
「………」


「遅い!罰金!!」
「ちょ、今日は古泉だろう」
「あ、やっぱり忘れませんでしたか」
「当然だ」
「さ、お腹すいちゃったし入りましょ」
「はーい」
「行きますか」
「………」
「俺はおごらないからな、おごらないからな!」
「あたしは大皿サンドイッチとチーズカツカレーとアイスティー」
「こっちのページのこっからここまでと、こっちのページのこっからここまで」
「えーっとぉ、ハンバーグセットの飲み物はコーヒーで」
「俺はグラタンとミートスパゲッティとコーラな」
「皆さん容赦ありませんね……僕は和風ランチセットで」
「あ!デザート忘れた」
「迂闊」
「………勘弁してください」

「さ、午後のくじ引きするわよ。今度はキョンが一番ね」
「おぅ!どれにするかな……」
って、出来レースだったわ
「これにすっか」
「………」
「えーっとぉ、これ」
「僕は余りで結構です」
「じゃぁ、あたしはこっち!」
全員引き終わったが俺は組み合わせはわかってるし
「俺は、無印か」
「印です」
「印ですぅ」
「あたしは無印ね」
「無印」
「この組み合わせね。早速いきましょ。あ、古泉くん。伝票忘れてるわよ」
「やっぱり忘れませんね」
「潔く払っとけ」
「たまには、ですね」

「9720円です」
「彼はよく財布が持ちますね……やれやれ」

「それでは夕方頃に落ち合いましょう」
「そうね。じゃぁ出発!」

「さて、キョンどこ行く?」
「んー……長門はなんかあるか?」
「ある」
「有希が行きたい所あるなんて珍しいわね。どこ?」
「………こっち」
「長門、指差しながらこっちじゃわからんぞ」
「こっち」
「おいおい、引っ張るな」
「あぁ!何、手繋いでるのよ」
「だからって腕を組むな」
「………わたしも」
「お前もか!」
「いいじゃない、両手に花で」
「……………」
やれやれ


「ついた」
「・・・・ここ、お前の家だぞ」
「ここにつれてきたかったの?」
「そう」
「で、何か話でもあるの?」
「待ってて」
と言うと、俺が冬眠していた奥の部屋に入っていって誰かを連れてきた
「……長門が2人?!」
「ちょっと有希。誰よ、その子!」
「………孫?」
「「孫?!」」

「有希、どっから拾ってきたの?」
「拾ってきてない」
「長門、美味しくないと思うぞ」
「食べない」
長門が抱っこしてる子は長門本人にそっくりだ
ただ違うのは
「……だぁ」
どう見ても赤ん坊です。本当にありがとうございました
「で、誰なんだ?」
「説明すると長い」
「知りたいわ」
「………父方の叔父の娘の婿の姉の友人の兄の妹の朝倉は俺の嫁の他人の伯父の子」
「つまり、遠い親戚ってことか?」
「そういうこと」
「なんでまた預かったの?」
「この子の両親が法事」
「いつまで?」
「明日、日曜日の夜まで」
「……で、この子がどうかしたのか?」
「預かってほしい」
「「へ?」」
「今日の夜から両親に会いに外国に行く」
「急だな」
「急ね」
「急」
「いつ帰ってくるの?」
「明日、日曜日の夜」
「そぉ、じゃあ預かるわ」
「長門、いいのか?こんな育児のいの字も知らないやつに預けて」
「いい。むしろ適切」
「まぁお前がいいって言うなら」

「たかいたかーい」
「おんぎゃぁぁぁぁぁ」

「いや、前言撤回。やめとけ」
「………」

「ひくいひくーい」
「きゃっきゃっ」

「………まぁなんとかなるか」
「なる」
ハルヒが赤ちゃんに夢中になってる隙に聞いとくか
「で、真相は?」
「あれはわたしのバックアップ」
「まぁなんとなくはわかってた。で用事とは?」
「この個体の大幅なバージョンアップが必要。その間、機能が一時的に停止するため代わりが必要」
「それがあの子か……名前は?」
「………まだない」
「ねー有希。この子の名前は?」
またタイミングの悪いときに
「………」
困ると俺を見つめるなよ
「えぇっと…ゆ……有美?………そう、有美だよな」
「……そう、有美」
「へぇー有美かぁ、可愛いわね。そーれ、ひくいひくーい」
「きゃっきゃっ」
「……それと」
「まだ何かあるのか?」
「涼宮ハルヒが望んだことでもある」
「どういうことだ?」
「涼宮ハルヒはあなたとの子供を欲しいと思った。でも行為無しに子供が生まれれば涼宮ハルヒが自身の能力に気が付く可能性もある」
「こ、行為って…」
「それに、あなたにも迷惑がかかる」
「迷惑?」
「何度シミュレーションしても高校生で子供が出来ると将来生活に困ることになる」
「そっか。ありがとな」
「……いい」

「気に入った!この子もらってくわね」
「どうぞ」
「いかんいかん、ちゃんと返しなさい」
「わかってるわよ。日曜の夜までね!じゃぁ預かっていくわ」
「よろしく」
「じゃぁね、有希」
「おじゃましました」
「だぁ」
「………」

「……なんか忘れてないか?」
「有美ちゃん可愛いー」
「………まいっか」

「あれぇ?涼宮さんたち遅いですねぇ」
「来ませんね……忘れらてませんか?」


「さー有美ちゃん、ここが新しいお家ですよー」
2人で住むのに充分な広さの家なんだ。1人、しかも赤ちゃんが増えたくらいじゃ変わらん
「ひーひー」
何をひーひー言ってるかって?荷物持ちだよ
赤ちゃんに必要なものとして粉ミルクとかオムツとか着替えとかを長門に大量に持たされたからな
「でもほ乳瓶は2、3本あれば充分だ。20本もいらんだろ」
「大は小を兼ねるのよ。ほーら、ひくいひくーい」
「きゃっきゃっ」
「あと、1日預かるのに粉ミルク20キロって」
「だからー大は小を(ry」
「……おんぎゃーおぎゃー」
「あれ?泣き出したわ……どうして?」
「どうしてって……オムツ交換か?」
「……オムツしめってないわよ」
「それじゃお腹がすいたんだろ」
「ならミルク作ってくるわ」
「お前、粉ミルクのやりかたわかるのか?」
「それなら大丈夫!有希にこの本を借りたわ」
「それは伝説の育児雑誌…… た ま ぴ よ !」
長門の読書傾向もよくわからんな
「えぇっと……人肌に冷ますのね」

「んぐんぐ……げぷ」
「はい、ごちそうさまー。よく飲んだわね」
「いや、7本分とか飲みすぎだろ」
「有希の家系って大食いなのかしら」
「粉ミルク20キロも肯けるな」
「……おぎゃー」
「オムツかしら?……しめってないわ」
「もうお腹空いたとか言わないよな」
「なぁハルヒ……俺たちもお腹空かないか?」
「そういえば、もうこんな時間ね。買物行きましょ」
「有美ちゃん連れて行くよな?ベビーカーベビーカーっと」
「外は寒いわよね……上着上着っと」
「……だぁ」
「準備よし!キョン、行こ」
「戸締り戸締りっと、よし行くか」
「あぅー」
「今日は何にするんだ?」
「んーそうね……何か食べたいものとかある?」
「そうだな……肉じゃがなんてどうだ?」
「じゃがぁ」
「じゃぁ肉じゃがで決定!」
「ってい!」
「…なんか有美ってよく喋るわね」
「1歳にもなってれば、これぐらいじゃないか?」

「さて、肉じゃがなら、ジャガイモににんじん、しらたき…」
「おい!」
後ろから声掛けられたけど……デジャブが
「…やっぱり親父か」
「あら、おじ様。こんばんは」
「やぁハルヒちゃん。また会ったね」
「今日もお使いか?」
「いや、この時間帯にブラブラしてれば会えるかなと思って」
「ストーカーだな」
「ストーカーね」
「はっはっは!間違いないね…ところでハルヒちゃん」
「なに?」
「おしさんの忠告は聞いてもらえなかったみたいだね」
「忠告?なんかされてたのか?」
「心当たりはないわ」
「だってその子、お前たちの子だろ?」
「あんたの親父って相当バカね」
「面目ない」
「じゃぁ誰の子なんだ?」
「友達の親戚の子を預かってるだけだ」
「そうだったのか。てっきりおじさんのプレゼント使わずに」
「わーわーわー!!」
「……なに騒いでるんだ、お前は」
「なななななななんでもないわよ!こんなバカ親父ほっといてい行きましょ」
「人の親をバカ呼ばわりするとは流石ハルヒだな」
「じゃぁな、元気でやれよー、元気すぎて寝不足になるなよー」

「何か言ってるぞ……」
「ほっときなさい!」


「うー寒かった」
「12月の頭でこんなに寒かったら冬休みには凍死しちゃうわね」
「凍死は言い過ぎだ。でもたまらんな」
「やっぱり冬合宿はハワイとかグアム?」
「ちょっと待った。そんな軍資金ないぞ」
「大丈夫よ!古泉くんに言えば「ちょうど親戚にハワイに別荘を(ry」なんでことになるわ」
しっかり古泉の使い方をわきまえていやがる
「遠出もいいが鍋パーティーの方が俺は好きだな」
「確かにあったまるもんねぇ……」
「「「ぐぅー」」」
「鍋の話したら余計と腹減ったな…」
「そうね、急いで支度するわ」
「じゃぁ俺は有美ちゃんの相手と風呂掃除でもしてるか」
「…………だぁ」


「「ごちそうさま」」
「さて、あたしは片付けしてるからキョンは有美ちゃんとお風呂はいちゃって」
結構ハルヒってテキパキしてて働き者なんだな。専業主婦にむいてるな
「じゃぁお先に………って、どうせまた入ってくるんだろ?」
「あ、バレました?」
「ダメって言っても……入ってくるんだろうな」
「………えへへ」
……やれやれ

カポーン

「「いいお湯だったー」」
「ちょっと早いけど、もう寝ましょ」
「そうだな。今日はいろいろあって疲れた………」
「……………くー……くー」
「あら、有美ちゃんも疲れて寝ちゃってる……可愛い寝顔」
「……………ぐー……ぐー」
「こっちも寝ちゃって……間抜けな寝顔………この隙に隠して買ったプリンでも」
「そうはいかんざき!」
「…………起きてたの。しょうがないわね、半分こよ」
「だぁ」
「いや、三分こだ」
「有美ちゃんまで……」

「今度こそ寝るわよ!」
「寝るのに意気込む奴があるか」
「……………くー……くー」
「ねぇ、有美ちゃんも一緒に寝ない?」
「押しつぶさないか?」
「そんな心配いらないわよ!寝相いいもん…あたしね、川の字になって寝るのに憧れてるの」
「ほぅ……ハルヒにしては可愛い意見だな」
「あ!今、馬鹿にしたでしょ」
「しとらん。褒めたんだ」
「そうね、馬鹿にしたって言うよりからかったって言った方が正しいかしら」
「もっと素直に受け取っ」
「……………くー……んー…うるさい……」

「「しゃべった!?」」


チュンチュン
「………キョン、キョン!」
「…………んー…………朝か……どうした、ハルヒ。慌てて」
「なんかね、有美ちゃんの様子が変なのよ」
「変?」
ベットで寝ている有美ちゃんの顔は真っ赤だった
おでこに手を当てると
「……………こりゃあ、熱があるな。風邪ひいたか?」
「ね、熱!?どうしよーどうしよー」
「おいおい、こんな時に母親代わりがうろたえてどうする」
「…そ、そうよね。まずは暖かくしなきゃ。毛布毛布」
長門のバックアップが熱か……何か起きてなければいいが
「大丈夫」
「うぉい、しゃべれたんですか?」
「なお、これは事前にプログラムされた音声のため、期待する返答は得られない」
なるほど。この熱も長門が仕込んだことか
「涼宮ハルヒが「子育てするのは大変。まだ早い」と思えば作戦成功。説明終り。頑張って」
説明終りって…………
「……だぁ」
あ、元に戻った

「とりあえず暖かくしてやれ」
「毛布をかけたわ。薬は?」
「まだ赤ちゃんだから、下手に飲ませない方がいいぞ」
「病院行く?」
「ん~高熱ってわけでもないから、しばらくは様子見だな」
「それじゃぁそれじゃぁ」
「ハルヒ、少しは落ち着けって」
「……う、うん」


「熱も下がって、だいぶ楽そうね」
ハルヒの(慌てふためく)看病もあって夜には熱も下がった
と言っても確かに看病したのはハルヒだが、いろいろ教えてやったのは俺だ
妹のとき、母親がやっていたのを思い出しただけの知識だったけどな
「やっぱり、あたしに子育てなんてまだまだ早かったのね」
はい、作戦通り。この機会に長門を参謀長に任命してやるべきだね
「そういえば、もうすぐ長門が迎えに来るな」
「そういえばそうね……お別れか、淋しいわね」
ピンポーン
「噂をすれば、ね。はーい」
「おじゃまします」
「さ、あがってあがって」
「おう、長門。どうだった」
「…………おみやげ」
「「何コレ?」」
「………トーテムポール」
「有希の両親ってアボリジニだったのね。知らなかったわ」
そんなわけあるか

「お世話になりました」
「有美ちゃん、またね」
「………ばぁ」
「…………また、明日学校で」
「有希も、じゃあね」
「じゃあな、長門」
「…………………」

「行っちゃった。1日なんてあっという間だったわね」
「そうだな…もうちょっと一緒にいたかったな」
なんかめまいがする……あぁ看病に必死で1日中何も食べてなかったからな
「ねぇキョン…………キョン?」
あ、あれ?世界が回るー
「ちょっとキョン、どうしたの!………わ!すごい熱じゃない」
グルグルだー魔方陣グルグルだー
「もしもし、おじ様?ちょっとキョンが大変なのよ。うん、うん。そう、迎えに来て」
マッワーレマッワーレ


昨日は親父が迎えに来て家までつれて帰ってくれたらしい
俺が熱でダウンしたためプチ結婚生活はハルヒ曰く、終わったらしい
………もう少しだけ続けたかったがな
一夜明けて、今日は月曜日
起きてみれば昨日は何事もなかったかのように熱は引いていた
一応ハルヒにも学校に行く旨をメールしたところ
「心配したのよ!」などと嬉しい電話がかかってきたのは内緒だ

さて一日の半分が過ぎ放課後
今日もいつものように部室に足を運べば朝比奈さんがお茶をいれ、長門が本を読み、古泉がボードゲームの相手が来るのを待っていた
いつもと違っていたのはハルヒがパソコンをいじっていなかった
何読んでるんだか………雑誌……………………ゼクシー?
「ねぇ、キョン。結婚って知ってる?」
「それぐらいなら俺だって知ってるぞ」
「そりゃそうよねー」
ハルヒの笑顔が眩しい……また嫌な予感が
「してみない?」
「してみない?って言われたって誰と誰がするんだよ」
「そんなのあたしがしなかったら、あたしが楽しくないじゃない!」
「………となりますと、相手は必然的にあなたということになりますね」
「俺かよ!」
「………なによ………嫌なの?」
っう………目を潤ませての上目使いは反則だ!
「い、嫌じゃないが………だってそれって普通、付き合ってる男女がするもんだろ?」

「「えぇ!付き合ってないんですか!?」」
「……………へたれ」

「いや誰も付き合ってるなんて宣言してないだろ。それにへたれって………」
「わかったわ!!」
「何がだ」
「付き合えばいいのよ!」
「誰と誰が」
「あたしとキョンよ!」
「はぁ?唐突過ぎるぞ」
「そうと決まったらデートよデート!さ、行くわよ」
「引っ張るな引っ張るな!首が首が…………………………」

「行っちゃいましたね」
「それにしても付き合っていなかったとは、同棲生活はなんだったんでしょう」
「………………ヨソウガイデス」


おわり

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Last Update 2009/11/10
haruhi-ss 俺ベスト(おれべす)
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