私は朝比奈みくる、17歳です。
本当は禁則事項なんですが、この時代の人間ではありません。
ええっと、今こうやってお話しているのは未来への日報みたいな物なんです。
思っているだけで記録できるんですが、どうしてそんな事が出来るかは…禁則事項です。
「み・く・る・ちゃん!」
「えっ!」
「何ボヤッとしてるの?」
あ、言い忘れましたが、今SOS団の不思議探索中なんです。
くじ引きでどうしてか、私と涼宮さんが組みになっちゃいました。
「どお?ここのクレープ屋さん、とってもおいしいのよ」
「ホントですね、凄く甘くて、おいしいです」
「でしょ。でもね、キョンは甘過ぎだって文句言うのよ、わかっていないわよね」
「はぁ…」
キョン君とココに来たことがあるんですね。
「さぁ、次に行くわよ」
涼宮さんは食べるのも早いし、付いていくのが大変です。
「涼宮さん、ここはコーヒーショップですよね」
「そうよ、お茶だけじゃなくてね部室にコーヒーを置くのもいいかなと思って」
私、コーヒーの入れ方はよくわからないんです。
「みくるちゃんが入れてあげればキョンは下水だって喜ぶわよ。
でもね、あいつ意外にコーヒーにうるさいのよね。
やれ産地がどうとか、挽き方がどうだとか、インスタントで十分よ」
そう言いながら、涼宮さんは凄く高級な豆を挽いてもらってました。
「次よ次!」
ホント、涼宮さんは元気です。
次は古着屋さんにやってきました。
「涼宮さん、それ男物ですよ」
「みくるちゃんも今日のキョンのTシャツの柄見た?がっかりでしょ。
あんな着こなしじゃSOS団のセンスに関わるわ」
とても真剣にTシャツを選んでいました。
私じゃ男物なんて何を選んでいいかわからないのに、
涼宮さんはちゃんとキョン君に似合いそうなのを選ぶんですよ。
「そうだ!」
突然、大声を上げるのでびっくりしちゃいました。
「どうしたんですか?」
「晩ご飯、みんなで作って食べない?」
「みんなで?」
「そう、有希の家でもいいし、キョンの家に行ってもいいかしらね」
よく分からないうちに、スーパーに連れてこられました。
「みくるちゃんは何が食べたい?」
「え~と、シチューとかにしましょうか」
「そうね、たくさん作れるし、キョンもおかわりするからね」
なんでキョン君がおかわりするのか分かるんでしょうか?不思議です。
「みくるちゃんはいい子ね、ちゃんと食べたいものを言うんだから。
キョンに夕食何がいいか聞くとこういうのよ、『なんでもいい』」
涼宮さんは片手をプラプラさせて、キョン君のマネをしました。
ちょっと可笑しかったです。
「そのくせね、あたしが魚にするって言えば肉がいいとか言うのよ、どこまでへそ曲がりなのかしらね」
「涼宮さんはキョン君といつも夕飯の買い物をしているんですか?」
「あ…、いやぁ…ほら、みくるちゃん!サンマが安いわよ!サンマ!」
シチューにサンマはどうかと思うんですが…。
「たくさん買いましたね」
「そうね、予算オーバーだから後でキョンから徴収するわ」
「おいしいシチューを作りましょうね、涼宮さん」
「もちろんよ!」
結局、涼宮さんはキョン君の物ばかり買い物していました。
どうやら二人とも、仲良くやっているみたいです。
未来は大丈夫そうですよ。
以上、報告おわり。 |